ベートーヴェン交響曲シリーズ 第4弾
ベートーヴェン 交響曲第3番 「英雄」 変ホ長調 Op.55
ヨハン・シュトラウスII世「春の声」
指揮: 北村憲昭
オーケストラ: スロバキア・フィルハーモニー管弦楽団
録音場所: スロバキア ブラチスラバ スロバキア・ホール
収録日: 2017年 1月 7、8日
使用楽譜: BÄRENREITER
URTEXT TP903(交響曲第3番 変ホ長調 作品55)
スロバキア・フィルハーモニー所蔵版 (「春の声」 作品410)
録音音源: 村上輝生氏相川宏氏によって最新の機器(aiQualia社製の1bit-8ch録音機)で録音された物。
* 録音エンジニア村上輝生氏のホームページ: http://www.mu-s.com/
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録音エンジニア相川宏氏のホームページ: http://shop.aiqualia.jp/
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ハイパーレゾリューションのHP: http://www.hyper-resolution.com/Release/NKB-402.html
指揮者コメント
今までの演奏と同様に、作曲家の意図に極力沿うべく努力をした。
楽譜は、「英雄」はBÄRENREITER
URTEXT(原典版)TP903を使用。
楽譜の問題や意図は今までと同様なので詳しいコメントは省く。
今回の作品は、これまで色々な疑問や問題が論じられているが、私はそれなりの結論を持って臨んだ。
先ずは、全体の構想として第2楽章に葬送行進曲を何故配しているかとの疑問だ。私は、全体的にはナポレオンによってもたらされる新時代への幕開きへの期待と喜びが主題で、第2楽章では旧社会の終焉を葬送の音楽で表したと考える。それ故後半には長調の音楽で平和な世界が書かれ、未来への希望に満ちている。ゆえに、この作品全体が新しい時代への喜びと希望に満ち溢れた音楽だと確信しているのである。
この発想が、カップリングにシュトラウスの「春の声」を選んだ理由でもある。
タイトルの変更の問題(ナポレオン交響曲を、単に英雄交響曲に書き換えた)については、この作品の完成後のことと思われるので、その件は作品内容には影響を及ぼしていないと思っている。
さて楽譜上の問題点だが、やはり若いベートーヴェンであるが故のいろいろな問題がある。
特にsfの記号については、後の作品では、フレーズの最後に置かれることが多いが、この作品の頃にはフレーズ最初に頻繁に現れている。それは演奏に大きく影響するものではないが、そのために1楽章冒頭の25-32小節や256-271小節のフレーズ(25小節3拍目と26小節2拍目のIVn.
A音等)は解明が必要であった。
この点に関しては、今までの多くの演奏で明快に答えているものは皆無と言ってもいい程である。果たして今回の演奏も完全に演奏できているとは言い難い。少々残念な所である。
これには理由がある。このような有名な作品は、オーケストラは数多くの体験がある故に身体にフレーズ感が馴染んでしまっている。それをすぐ完全に変更するのは容易ではない。此処スロバキア・フィルハーモニーのメンバーは、大変に協力的であり理解をして頂いたことに感謝しているが、まだまだ完全ではなかった。完璧を期すには時間が足りない事や、フレーズが完璧でも音楽的に表情が乏しかったり、ノイズが有ったり、また逆の場合もあり、編集上やむを得ず不完全になったことは残念である。
次に、2楽章冒頭のC.Bassの記譜の問題で、冒頭は3回、同様の107-108小節は2回前打音が装飾音符(小さな音符)で書かれている。
これは、単にテンポのカウント内で書こうとすれば複雑になったことを避けたものと思われる。旋律の32分音符と重ならないようにしたかったのであろう。演奏家にとってはそれほど難しい問題では無い。
以上がおおよその問題の結論である。
ベートーヴェンの作品殊に交響曲は、作品が進む程にレヴェルがステップアップしている。特にこの第3番「英雄」は第2番から大きくステップをした作品であると考えている。
第2番で彼は難聴という大きな障害を乗り越え新たな境地へと進んでいく勇気を示しているが、この第3番では、ナポレオンという歴史の寵児と重ね合わせ、自身音楽の新境地へと大きく踏み出している。
それまでの音楽が具象の事象やかつての慣習にとらわれた形式や習慣で書かれたことから脱し、音楽で自身の感情や情熱を伝えようとしている。
かつての音楽は、モーツアルトのそれのように、感情などは内在しているというよりも表面には現わさないでそっと忍ばせていた。表面上は事物の描写や模倣でしかないが、そこに作曲家の意図を代弁させていた。あるいは歌のように詞に任せていた。
もちろんベートーヴェンもそのような教育を受けそれを実践している。この作品にもいくつかに見ることができる。例えば「フリーメーソンのリズム」が聞こえるなどだ。
しかしこの作品を演奏して解かる事だが、全編を通してなんだか「わくわく」した期待に胸躍る感情に支配されるのである。
先ほどの問題点にあるように、その中になぜ「葬送行進曲」があるのか。そこだけを考えればいろいろとこじつけや背景などの後付け理由が考えられるが、根底にあるこの「わくわく」感は、彼の未来への期待がにじみ出ていることに違いない。
これは私の創作ではなく、彼へのシンパシーだ。そこを聴いて頂だければと思っている。
指揮者 北村憲昭
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