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NKBレコード企画 第4作

クロード・ドビュッシー 
3つの交響的スケッチ「海」
牧神の午後への前奏曲

モーリス・ラヴェル
オーケストラのための舞踏詩「ラ・ヴァルス」

レオ・ドリーヴ
バレエ「コッペリア」より マズルカ と ワルツ 

指揮: 北村憲昭

オーケストラ: ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団

録音場所: ポーランド ワルシャワ  ワルシャワ・フィルハーモニー・ホール

収録日: 2013年 9月 5,6


Noriaki Kitamura /Warsaw Philharmonic Orchestra


<Claude Debussy (1862-1918)>

Prélude à laprès-midi dun faune


Trois Esquisses Symphoniques La Mer

1.   De Laube àmidi sur la mer

2.   Jeux de vagues

3.   Dialogues du vent et de la mer

 


<Maurice Ravel (1875-1937)>

La Valse


<Léo Delibes (1836-1891)

>Valse et Mazurka du Ballet Coppélia

 





 

2013年9月8日発売
詳しくはこちらを

104pos

録音フォト紀行はこちら(未掲載)

 

使用楽譜: Breitkopf Urtext牧神の午後への前奏曲、「海」、[ラ・ヴァルス]

        ワルシャワ・フィルハーモニー所蔵楽譜 使用 (「コッペリア」よりワルツとマズルカ

録音音源: 村上輝生氏によって最新の機器(KORG社製の1bit録音機)で録音された物。

* 録音エンジニア村上輝生氏のホームページ: http://www.mu-s.com/

* ハイパーレゾリューションのHP http://www.hyper-resolution.com/Release/NKB-402.html

 

指揮者コメント

 今回もベートーヴェンの録音と同様に、現在の通常認識として、作曲家の意図に極力沿うべく努力をした。

  今回の録音のコンセプトは、以前からのフランス音楽の演奏に見られる(正確には、今主流になろうとしている作曲家の意図に沿った楽譜による演奏でなく。詳 しくは後述する)独自の解釈による変更を加えたものではなく、あくまでも楽譜に作曲家の意図に沿った演奏を録音することにある。

 幸いなことに近年これらの音楽の原典版URTEXTが、BreitkopfBärenreiter社から相次いで発売されたので、これらのパート譜を使用することができた。

 このどちらの版を使うか(本来原典が複数あることはおかしいのだが)これは、音楽学者の議論を待たねばならないが、今回はワルシャワフィルハーモニーオーケストラが、Breitkopf版を入手したのでこれを使用した。

 しかしこれらの版にも疑問の余地が残っている。それの解消には、作曲家の自筆譜を見るのが最も妥当な策だ。今は「La Mer」が手に入るだけだ。(IMSLPペトルッチ楽譜ライブラリーhttp://imslp.org/wiki/La_mer_(Debussy,_Claude)

 しかしこの自筆譜により、2か所を訂正をすることができた。

1か所目。

 第1楽章、84-85小節 練習番号9番の直前2小節。Cor. Timb. の < だ。
自筆譜には < は無い。すべて > だ。

104-1

 これを編集者が訂正したのは、想像に難くない。演奏上不可能と見たのであろう。しかしそれはあまりに想像力が無さすぎる。
波の繰返しを想像するなら、なんらこの記述に疑問は無い。むしろ変更を加えた方が、理解に苦しみ、演奏に戸惑いを与える。
私自身もそうだった。ここの演奏には違和感があった。自筆譜を見て氷塊である。

2か所目。

 第2楽章 31-35小節練習番号19の前5小説だの、Vc.trの上の音である。

 印刷譜はすべてのtrの上の音に#が付けられている。
自筆譜は、最初のA#33小節のA#の上の音をH#に書いてあるだけだ。他の音にはない。

104-2


 これも編集者の考えはわかる。一般によく知られるドビュッシーの特徴の一つのペンタトニックが気になったのであろう。
これは私も迷ったのは事実だ。しかしドビュッシーは、ことのほかこのような記述に正確であることを考えれば、この自筆譜のように、A#上の#のみであろう。
Hp.
にもあるA#-G#-F# そして19番のEへと移行していく為には、他の音にはない方がふさわしい。

 

 原典版の主張には二通り(もっとあると思うが)の考えがある。一つは、作られた最初に完成したものを原点にする考えと、後々作曲家が改編を繰り返し最終のものを原典とする考えだ。

私は前者を取る主義だ。その時点での作曲家の技量や感覚を大切にする方がよいと思っている。のちの生長した彼の意見は他人と同じに思える。

もう一点もっとも云われている処がある。

3楽章 237-244小節 練習番号60の前8小節だ。

ここに、cor.Trp.の旋律が挿入されたものがあり、のちに作曲家が削除したとされるものである。

これについては、判断の材料が無いので、通常通り削除されたもので演奏した。

 

他の「牧神の午後への前奏曲」やラヴェルの「ラ・ヴァルス」には、このような変更点は無かった。

強いて今まで演奏されたものとの違いを述べるなら、弦楽器のトレモロの部分をすべて数通りの連符で演奏させたことであろう。
この効用は、音の移り変わりが明瞭になることと、テンポの変化がしにくくなることで、インテンポが保て、記述にないアゴーギクの変化を防ぐ狙いがある。
これは、大変に効果があった。特に「牧神の午後への前奏曲」では、インテンポでこその旋律線の繊細さが表現できた。これぞフランス音楽演奏の重要な点ではないかと思っている。

ラヴェルの「ラ・ヴァルス」」では、解説に書かれる「ウインナワルツへの皮肉」は、私には感じられない。むしろ「賛美」であると捉えている。
なぜなら、音楽で「皮肉」や[侮蔑]などの否定的表現は不向きであり、肯定のみ適していると思うからである。

ただオーケストラの奏者には、このような内容が浸透しているように思え、何箇所かが少し大袈裟なテンポ変化になってしまっているところがある。
これは、以前に他の指揮者で演奏した為で、已むを得ない。これをあえて変更すると混乱が生じるので避けた。

ドリーヴの「コッペリア」からは、ワルツはともかくマズルカはさすがに思い入れがあるようで、これは奏者各人の微妙な感覚の差があるように思われ、これが好いかそうで無いかの評価が分かれるところがあるだろう。とにかくは生き生きとしたマズルカにはなった。

 

 

前述した、独自の解釈について述べる。

 意外に楽譜通りの演奏をすることの歴史は浅い。そのような考えが浸透してきたのはほんの近年である。

 実際にもっとも頻繁に演奏され有名でもあるベーとヴェンやモーツアルトの、原典版URTEXTが発売されたのは、2000年前後である。

 それまでの楽譜は、誰か他人が手を加えたものしか手に入らなかった。実際今でも各オーケストラ所蔵のパート譜にはまだまだ多くのこのような楽譜が使われているのが実情だ。

  手稿が手に入らなかったりその真偽が判定できなかったりで、近代の技術を待つしかなかったのも事実だ。しかし、演奏家の意識には作曲されたものをそのまま 演奏するのは演奏家の個性が無いとされてきたのがその理由だ。今でも多くの演奏家がこの意図で演奏しているのが実情だ。

 第2次大戦後、指揮者では、クレンペラーが有名だが、新実存主義の台頭で、今の原典主義や楽譜に忠実であろうといった傾向が生まれてきた。

 今ではさらに、ペリオッド奏法(歴史的演奏法)が盛んに演奏されるようになり、当時の演奏習慣や奏法の復活だけでなく、当時の楽器の再現や使用もされるようになってきた。
ここまでするのが妥当かは意見の分かれるところではあるが、作曲家の意図を再現する役割が演奏と定義するあたりが妥当なところではないかと思っている。

 今回も今までもこれを私の演奏に対するポリシーにしている。

 

 

 

ことを嬉しく思っています。

 改めてワルシャワ・フィルハーモニーのメンバー、副芸術監督のMr. Wojciech Nowak 、インスペクターのMr.Tadeusz Bonieckiそして通訳だけでなくブラチスラバ滞在中に色々とお世話になった Ms. Beata Kowalczyk、に感謝を述べたく思います。
又録音に際しご協力いただいた、CD Accord  http://www.cdaccord.com.pl/ の、Mr. Andrzej Sasin と、Ms. Aleksandra Nagórko、何より日本からご同行いただいた村上輝生氏に深く御礼を申し上げます。さらにこのプロジェクトを支えてくださっている方々、NKBの理事で財務一般や英訳そしてワルシャワ・フィル側との交渉をしていただいた北川啓微氏に感謝を捧げます

指揮者 北村憲昭

 

104

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404

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音のメディアは上記の2種類があります。

上の、#104は、SACD/CD デュエル盤で、
通常のCD再生機でも聴けますが、専用のSACD再生機では更に高音質でお楽しみいただけます。
3000円(本体価格)

下の、#404は、上記SACD/CDと、
DVD-ROM による24bit/192MHz WAV と一部曲目の1bit D データ を収録した、最高音質HR(ハイパー・レゾリューション)音源です。
2枚組です。5000円(本体価格)

 

 

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#104 ドビュッシー「海」他 SACD/CD −  枚

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