第3弾
イゴール・ストラヴィンスキー
バレー組曲 「火の鳥」 1919年版
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
幻想的序曲 「ロメオとジュリエット」
ポロネーズ 歌劇「エウゲニ・オネーギン」より
指揮: 北村憲昭
オーケストラ: ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
録音場所: ポーランド ワルシャワ ワルシャワ・フィルハーモニー・ホール
収録日: 2013年 2月 6、7日
使用楽譜: SCHOTT レンタル譜 使用 (バレエ「火の鳥」19191年版組曲)
ワルシャワ・フィルハーモニー所蔵楽譜 使用 (「ロメオとジュリエット」、ポロネーズ)
録音音源: 村上輝生氏によって最新の機器(KORG社製の1bit録音機)で録音された物。
* 録音エンジニア村上輝生氏のホームページ: http://www.mu-s.com/
* ハイパーレゾリューションのHP: http://www.hyper-resolution.com/Release/NKB-402.html
指揮者コメント
今回もベートーヴェンの録音と同様に、現在の通常認識として、作曲家の意図に極力沿うべく努力をしました。
イゴール・ストラヴィンスキー(Igor
Stravinsky 1882-1971)
バレー組曲(1919年版)「火の鳥」The Firebird / L'oiseau de Feu Suite 1919 (SCHOTT レンタル譜使用)
1919年版採用の理由:
今回の録音にあたってこの1919年版を採用した最も大きな理由は、この版がバレーの主要な音楽をすべて含んでいる事と同時に、ストーリの骨子に沿った展開がみられる事である。
それに加え編成がシンプルで、作曲者の意図がよく汲み取れると思ったからである。
ストラヴィンスキー自身はある時から1945年版を演奏するようになったのは、1919年版では著作権料が取れなくなったからとの説がある。
楽譜上の変更点:
曲のつながり部分など特に(‘)記述部分:
[理由] ストラビンスキー自身による演奏を参考にした。
You Tube 等による演奏数種類いずれもこの処置がみられたため採用。
Piano パート:(ou Celesta)とある処はチェレスタ使用。
Final: 4−5小節 Va. <> を付け加えた。
[理由] ストラビンスキー自身による演奏を参考にした。
You Tube 等による演奏数種類いずれもこの処置がみられたため採用。
これにより、前曲Berceuse との変化が明瞭になった。
演奏留意点:
1- 序奏 Introduction
冒頭のC.BassのPizz.は、カスチェイの心音,arcoの旋律は寝息。
Tb,は、カスチェイのイビキのように思えるが、皇子の旋律。カスチェイの庭に忍び込み、そこにある魔法のリンゴの木に来る火の鳥を捕まえようと待ち伏せる。
最後のHr.は火の鳥の鳴き声。
この14小節目で、弦楽器のハーモニックスでのグリッサンドによる、鳥の飛翔の様子の音形があるが、予想外の効果が!
なんと鳥の鳴き声が聞こえる!(冒頭から1:58〜2:07)
作曲家が意図したか否かは判然とはしないが、ここワルシャワ・フィルが現代奏法に長けている為に出来た効果に違いない。
まったくこのオーケストラで録音した、何よりの収穫だった。
-2- 火の鳥の踊りL’oiseau de feu et sa danse
-3 火の鳥のヴァリアシオンVariation de L’oiseau de feu
火の鳥の登場から、王子に捕まるまで。
大変に複雑なアンサンブルが、まったく鮮やかに、プレヤーの力量発揮です。
4- 王女たちのロンド(ホロヴォード) Ronde des princesses (Khorovode)
魔法のリンゴの木を摘む、囚われた王女たちの踊りから、その中の一人の王女との恋の芽生えまで。
全曲版で振付がされると、この場面では二人の恋が芽生えるのがこの先に曲になるのが残念。
ここに淡い心のトキメキの音楽がある。
-5- 魔王カスチェイの凶悪な踊り Danse infernale de roi Kastchei
この曲の最大のスペクタクルですが、演奏もなかなかのスリル満点。
-6- 子守歌 Berceuse
ただもう眠い!(これを聴いた方の感想です。)
-7 終曲 Final
ここで使われた大太鼓は、新品の両手を伸ばしても端まで届かないとんでもなく大きい楽器でした。最後にカスチェイの卵を割る音は、ぜひこれだけは会場で生音を体感してほしいですね。まるで空気砲のようでした。衝撃的です。
その後、最後の金管アンサンブルはコラール。実際には祈りの雰囲気がよく出ていたのですが、どうも吹奏楽の様に録音されてしまうのは少し残念です。
このオーケストラで、ストラヴィンスキー氏自身で演奏した優れた録音が残されている。今回その当時の楽譜が残っていれば、書き込みなどの資料を参考にできるのではないかと思っていたが、残念ながら、それはなかった。
またこのオーケストラの特徴である現代音楽の取り組みで培われた、機能的な長所を存分に発揮した演奏になった。
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー (Peter Ilych
Tchaikovsky 1840-1893)
幻想的序曲「ロメオとジュリエット」”
Romeo and Juliet “ Overture
1880 ver.
この1880年版は、通常どこのオーケストラでも、ライブラリーに所蔵されているものです。
序奏はジュリエットの家の庭。暗闇からHrp.の月の光がさし、曇ると弦楽器のピッチカートによるロメオの足音が。
月明かりが出ると立ち止まり、昼の両家の若者たちの抗争を思い出す。
ジュリエットがバルコニーに現れ、互いに恋焦がれる。軽いラブシーンがあり、話が進展。
最後の木管アンサンブルはコラール。そして無念の音形で終わる。
オーケストラにとっては、頻繁に演奏しているレパートリーであるので、それぞれ部分的にはここの習慣があるので、それを取るのに苦労。
私としては極力楽譜に忠実でありたいポリシーですので。しかし良く訓練されたオーケストラである実感です。何よりユニゾンで弦楽器が素晴らしく良く揃っていました。さすがです。
ここのオーケストラの長所の機能性だけでなく、深い情緒も引き出すことができたのは、大変な収穫であったと思っている。
ポロネーズ (歌劇「エウゲニ・オネーギン」より) Polonaise (from ”Eugen Onegin”)
ポーランドの踊りポロネーズは、ロシアでは早く、ポーランドではエレガントで遅いそうです。
今回はポーランド風に遅いテンポで。
ちなみにチャイコフスキーの父はポーラン出身だとか。(ワルシャワフィル・メンバー言)
ここのメンバーたちは、この曲はやったことがないとか。「我々はオペラのオーケストラではないので!」、だそうです。
でもさすが有名の曲ですので、これはこの様にやりたかったのだとの意欲が満点でした。
今回このワルシャワ・フィルハーモニー・ホールの響きの豊かさを、これらの曲で紹介できた事は大きいと思います。
それに「火の鳥」で、このオーケストラの機能的な技術レベルの高い演奏を録音出来た事も大変な収穫であったと思います。
また加えて、「ロメオとジュリエット」とポロネーズにおいて彼らの潜在的な熱い情熱を開放できたことを嬉しく思っています。
改めてワルシャワ・フィルハーモニーのメンバー、副芸術監督のMr. Wojciech Nowak 、インスペクターのMr.Tadeusz Boniecki、そして通訳だけでなくブラチスラバ滞在中に色々とお世話になった Ms. Beata Kowalczyk、に感謝を述べたく思います。
又録音に際しご協力いただいた、CD Accord http://www.cdaccord.com.pl/ の、Mr. Andrzej Sasin と、Ms. Aleksandra Nagórko、何より日本からご同行いただいた村上輝生氏に深く御礼を申し上げます。さらにこのプロジェクトを支えてくださっている方々、NKBの理事で財務一般や英訳そしてワルシャワ・フィル側との交渉をしていただいた北川啓微氏に感謝を捧げます。
指揮者 北村憲昭
#103 |
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録音のメディアは上記の2種類があります。
上の、#103は、SACD/CD デュエル盤で、
通常のCD再生機でも聴けますが、専用のSACD再生機では更に高音質でお楽しみいただけます。
3000円(本体価格)
下の、#403は、上記SACD/CDと、
DVD-ROM による24bit/192MHz
WAV と一部曲目の1bit WDS データ を収録した、最高音質HR(ハイパー・レゾリューション)音源です。
2枚組です。5000円(本体価格)
★ お申し込みは ★
住所・氏名・電話番号と、
#103 ストラヴィンスキー「火の鳥」他 SACD/CD − 枚
#403 ストラヴィンスキー「火の鳥」他 SACD/CD&DVD-ROM の2枚組 − 組
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